映画では、こうした変化の一つひとつを丁寧に追っていきます。
完熟したチェリーは木から選び抜かれ、一粒ずつ手で収穫されます。
それらは計量され、農園から運び下ろされます。
精製所では果肉を取り除き、豆を水洗するか、ハニープロセスに適した状態に整え、その後慎重に乾燥させていきます。
一見シンプルに見える工程の中には、驚くほどの精密さが隠されています。
チェリーを摘み取る瞬間の熟度は甘みに影響します。
精製方法は、酸味や質感、果実のニュアンスを左右します。
乾燥が速すぎても、遅すぎても、最終的な味わいは変わります。
そして数週間後、それらすべての選択が、再びひとつのテーブルの上で出会います。
カッピングは、その土地の物語が味わいとして読み取れる瞬間です。
リューディガーと農家の人々が、スプーンを手にカップの列に身を寄せ、収穫されたコーヒーを味わっていきます。
勢いよくすすり、沈黙し、考える。
そして、もう一口。
「コーヒーを味わうとき、私たちが探しているのは一杯の中にある複雑さです」とリューディガーは説明します。
「大量生産のコーヒーでは出会えない、特別な風味を探しているのです」
"経験を積んだコーヒーのプロフェッショナルは、味わいから逆にその背景を読み解くことができます。
フローラルな香りから品種や標高を推測し、甘みからは熟度や精製方法を読み取ります。
クリアな味わいはウォッシュドプロセスの精密さを表し、質感には、ハニープロセスで豆の周囲に残された果実の名残が感じられることもあります。"
一杯のコーヒーは、そこへ至るまでに起きたすべてを記憶しているのです。
卓越した「グリーンコーヒー」、つまり焙煎前の生豆を生み出すことは、仕事の半分にすぎません。
その先の半分には、大きな責任が伴います。
何年もの歳月をかけて育まれたものも、不適切な焙煎によってわずか数分でその魅力を損ないかねません。
だからこそ、その土地で生まれた個性を理解し、守り、最後に引き出すことが必要なのです。
"やがてリューディガーがコスタリカを離れると、選び抜かれたコーヒーはマラケシュへと旅を続けます。
そこで、Bacha Coffeeの焙煎のサヴォアフェールによる、もうひとつの変化が始まります。
何千キロも離れたコスタリカの火山の斜面で育まれた香りと個性を、丁寧に引き出していくのです。
こうしてようやく、大地から一杯のコーヒーへと続く旅は、完成の時を迎えようとします。