映像で巡るー「エチオピア:コーヒーの揺かご」
執筆 Bacha Coffee | 2025年 9月 30日
|15 分 | Bacha Coffee
この映画には、バシャコーヒーの哲学が息づいています。 世界中の人々に、選び抜かれた200種類以上の最高品質 アラビカコーヒーを届けたいという想いです。
バシャコーヒーでは、コーヒーは単なる飲み物ではなく、旅であり、伝統であり、人生そのものだと考えています。この信念から生まれたのが、新作ドキュメンタリーシリーズ
「コーヒーの起源を巡る旅」。世界各地の特別なコーヒーの起源と味わいを辿る映像作品です。
本作は、スペシャルティコーヒーが生まれるその現場に光を当て、生産者たちの情熱とクラフトマンシップを称える旅でもあります。
世界中の産地を訪れながら、バシャのテイスターたちが丁寧に築いてきた生産者との信頼関係を追い、収穫ごとにその土地の豊かさと、真の品質を映し出す一杯へとつながっていきます。
この特別な物語を映像に収めるために、私たちは世界的に評価される映画監督、フレーザー・モートン氏に制作を依頼しました。それは、卓越した一杯を求めて歩む、時に過酷でありながらも深い喜びに満ちた旅の記録でもあります。
完成した作品は、バシャコーヒーの匠の技を余すことなく映し出します。スペシャルティコーヒーだけを選び抜くという揺るぎないこだわりから、一杯一杯に合わせて丁寧に焙煎を仕上げる職人技まで——そのすべてに息づく、私たちの美学と情熱が映し出されています。
バシャコーヒー新作フィルムシリーズの舞台裏
プロペラ機がアディスアベバを離陸し、南へと旋回した。薄い空気の中でエンジンが震え、眼下には、トタン屋根が連なる街並みが次第に遠ざかり、果てしなく広がるユーカリの森、そして大地を割るように連なるリフトバレーが姿を現す。
向かいの席の乗客がふと身を乗り出し、まるで秘密を分かち合うような笑みを浮かべた——。
「あなたは、私の故郷へ行くんですね。」彼はそう言って、やさしく微笑んだ。
「きっと気に入りますよ。シダマは——この地上でいちばんの楽園です。」
小さな窓の向こうに、悠久の谷が広がっていた。朝の光を受けた湖が、ガラスのようにきらめき、幾重にも折り重なる稜線は、まるで時を止めた赭(おうど)色の波のように連なっている。
ホーサの空港への降下は、突然だった。滑走路は、名を冠したホーサ湖と丘陵地帯のあいだに、細く押し込められるように延びている。
湖面では、漁師たちが細い葦の舟に身を預け、銀色の網が陽光を受けてきらめいていた。
フェンスの向こうでは、子どもたちが手を振り、飛行機の車輪が地面に触れるたび歓声が上がる。
ここはシダマ。世界でも屈指のコーヒー生産地として知られる土地。そしてこれから1週間にわたり、私たちが新たなフィルムシリーズ『バシャコーヒー — コーヒーの起源を巡るた旅』の第一作を撮影する場所でもある。
—— ようこそ、第1章へ。
『エチオピア:コーヒーの揺かご』
の舞台裏へ。